ご意見・ご質問箱


   
   第5回 「ご意見・ご質問箱」

「環境適応戦略」を成功させるための留意点を教えてほしい。(奈良県、58才男性)
 私は中小企業の経営者です。HPで拝見しました。
激変する経営環境に適応するため「環境適応戦略」を策定したいのですが、この戦略を成功させるための留意点をご教示下さい。
 
 
 
「環境適応戦略」のポイント
(龍馬社長大学学長、奴田原惇郎)

 
この「環境適応戦略」の成否こそが、まさに今後の企業発展の浮沈を握っています。留意点は次の通りです
柔らかい頭で考える
 この戦略策定に絶対向いていないのは、頭の固い人です。子供のような柔軟な発想で考えてください。従って、まず既成概念を捨てることです。
自社の業種を限定しない
 この戦略は将来の環境変化を予測・洞察して自社の技術やノウハウなどの経営資源を成長分野など(成長する分野の業種など)へ持っていくことです。従って業種を限定したら絶対に駄目なのは当たり前です。
情報キャッチのアンテナを張る
 将来の環境変化を予測、洞察するためには、まず現在の変化を認識することです。現在の変化から将来の変化が見えてきます。そのためには、変化が最も認識できる新聞やテレビなどを必ず見ることです。こうすることによって将来の変化が、他人よりもいち早く見えてきます。
環境の「実体」を正確に把握する
 環境の実体を間違って把握をしている企業が非常に多いのが現状です。例えば、ほとんどの企業に影響がある「超高齢化社会」を取り上げてみます。この高齢化市場でいうと、すぐに介護と考える人が多いですが、これが間違っています。実際には80歳代でも寝たきりの人は一割か二割です。高齢者の八割か九割の人が、健康で元気でお金持ちなのです。まず実体を正確に把握して下さい。
社長は現業はするな
 社長は「売るな、買うな、作るな」です。つまり、経営者は営業も、仕入れも、製造なども、現業は何もしないことです。中小企業の最も悪いところは、社長が率先して現業をすることです。社長は経営者ということを認識して下さい。労働をしては駄目です。社長は常に戦略だけを必死になって考えて下さい。この戦略こそが経営者の最も重要な仕事です。
スピーディーに実行する
 この戦略は、他社よりも少し先んずることが重要です。遅れた戦略は成功しません。スピードが命です。このスピードに最も欠けているのが大企業です。中小企業も、今が、まさに勝てるチャンスなのです。
「環境適応戦略」の最大の怖さ
 なお(この戦略を全く策定しないで)環境の変化にタマタマ適応して、(現在)儲かっている企業が意外と多いのが現状です。こうした企業は、社長が自分の手腕で成功したのだと錯覚します。こうなると、もうこの企業は倒産予備軍です。現在発展している企業にも、このようなタマタマ適応企業が非常に多いのが現状です。そのためにも、この「環境適応戦略」を策定してみて下さい。自社の発展が経営者の手腕でないことが認識できます。この認識が今後の発展に必ずつながります。

 このほか
●「風が吹けば桶屋がもうかる」式に考察せよ
●衰退の裏に儲かるチャンスあり
●環境適応戦略を常に考える
●朝令暮改を恐れないこと
する前に駄目だと決めない。
●「人、モノ、金+情報」はおのずと付いてくる。
●「環境適応戦略」がない経営計画は
                 「絵に描いた餅」だ
●マネシタ電器のマネをせよ
                   
などが重要点です。