ご意見・ご質問箱


  
   第6回 「ご意見・ご質問箱」

社員教育の効果を上げる方法を教えて欲しい
(広島県 55歳・男性)
 当社は「企業は人なり」と考えて社員教育に多額の費用をかけています。しかし、結果はあまり効果があるように思えません。社員教育をお願いしている経営コンサルタントは、数をこなすことにより効果が出てくると言います。いかがなものでしょうか?
 
 
 
「社員教育」のポイント
(龍馬社長大学学長、奴田原惇郎)

 
まず、社員教育には限界があることを認識して下さい。結論は、表にあるNOT社員などにいくら多額の費用をかけて教育しても、それはまったくの無駄金となってしまいます。   
私は、社員は次のように分かれると考えています。
(下表参照) 
 これを私は、「DO・SAY・NOTの原則」と呼んでいます。
 ちなみに大企業でも、新入社員が十人おれば「DO社員=二人、SAY社員=六人、NOT社員=二人」に分かれるそうです。
 経営者が特に困っているのが、このNOT社員だと思います。
 このNOT社員を社員教育によって変革できるでしょうか?
 次の「社員を取り巻く環境図」をご覧下さい。
 このA社員がまったくやる気がないとします。
 彼を取り巻いている現在の環境は、「@職場」と「A友人」および「B家庭」です。
 A社員のやる気のない原因が、Bの家庭にあるとします。
 これをいくら@の職場で教育してもダメです。
 家庭での原因を取り除く必要があります。
 また、Aの悪い友人が足を引っ張っていたとします。
 この友人から遠ざけることが必要です。
 さらには、@の上司が嫌いで仕事をしないのだとします。
 この状態で上司が教育をすれば、それは逆効果となってしまいます。
 それでは、「@職場」と「A友人」および「B家庭」の三者が合同で社員教育をしたと仮定します。(実際には不可能だが)。
 それでもダメです。
 「C生い立ち」があります。
 三つ子の魂百までです。
 結論は、「DO社員」や「DOに近いSAY社員」には効果がありますが、「NOT社員」や「NOTに近いSAY社員」には、いくら教育してもまったくの無駄金に終わってしまいます。
このことを認識して、社員教育を再検討して下さい。
 企業は、ともかく生きるお金を使うことです。 
 従って最も重要なことは、採用時に「DO社員・SAY社員・NOT社員」を見抜くことです。

DO社員 上司らからいちいち言われなくても、自分で仕事を覚え、積極的に自ら進んで仕事をし、かつ、能力も持ち合わせている社員。
SAY社員 自ら進んで仕事はあまりしないが、上司らが言ったらする社員。
上司らが言わなくなったら、しない社員。
NOT社員 いくら言って仕事をしない(またはできない)ダメ社員。
社員を取り巻く環境図
         @職 場(会社)
           ↓(影響)

C生い立ち
 →やる気のない →A友人 (影響)      
A社員      (影響)
           ↑(影響)
          B家   庭