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第17回 「ご意見・ご質問箱」
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企業をダメにする経営者とは?
(青森県 43歳・男性)
私は、製造業の社長です。
反面教師として知りたいのですが、企業をダメにする経営者はどのようなタイプの人でしょうか?
どうぞ、ご教授下さい。
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「他人の進言を聞く」こと
(龍馬社長大学学長、奴田原惇郎)
ご質問ありがとうございました。
私は仕事柄、さまざまな企業の倒産事例に出会いました。
自宅を競売にかけられた社長の事例、債権者に追われて社長が自殺をはかった事例、経営者一家が夜逃げし、保証人のなっていた従業員が農薬を飲み自殺した事例、経営者には持ち家がなく、経営者の母の自宅を債権者に取られた事例、などです。
この私の20年間の実体験で通説に感じることは、これらの倒産した企業の経営者は「他人の進言を聞こうとしない性格の経営者」が非常に多いことです。
私の進言を受け入れてダメになった事例は皆無です。しかし、これは決して偶然ではありません。
ある日突然、A社のA社長から電話が入りました。
電話口からは「奴田原さん、私は今から、死にたい、、」、そして、無言の様子。
もしも、死なれたら大変です。
何事もさておいて、すぐに飛んでいきました。
するとこのA社長は「奴田原さんの言ったことが今になって(倒産した後で)初めて分かった」と話します。
このA社は、高額所得法人で、何千万円もの税金を納付していた優良企業でした。
数年前に倒産した別の会社のB社長も次のように話します。
「倒産する前に、奴田原さんにいろんな忠告・進言をして頂くきましたが、今になって初めて奴田原さんの言われたことが分かりました。あの時に奴田原さんの忠告・進言を聞いていたら、こんなことにはならなかったのに」と、私の事務所で男泣きしました。
両氏とも倒産して初めて「他人の進言を聞かない経営者はダメである」ということが分かったのです。
しかし、「時、既に遅し」です。
他人の進言を聞こうとしないのは、どうしてだろう?
万能な人間はこの世の中には存在しません。
企業活動は、営業・総務・経理・人事・生産・販売・仕入・など広範囲にわたり、しかもこのそれぞれが非常に奥が深いのです。
結論は、企業経営におけるこれらのすべてを熟知している経営者は、世界のどこにも存在していないのです。
従って、他人の進言を聞かない経営者がダメなのは当たり前のこと。読者の経営者の方に一言。
あなたは大丈夫ですか?
何の戦略もなしに、自社の取り扱い製品が、環境の変化にタマタマ適応して成功したのに、この成功を自分の手腕だと勘違いすると(非常に多いので注意してください)、他人の進言はまったく耳に入らなくなります。
こうなると既に「倒産予備軍」です。自分自身を今一度振り返ってみるのも必要なことです。
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