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第30回 「ご意見・ご質問箱」
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給料制度の改革について
(東京都 46才女性、印刷業)
当社は、給料制度の改革を考えています。
現在は、私(社長)の判断で、社員の昇格や昇給額、賞与額を決定しています。
この際に、経営コンサルタントの指導を受けて、上司が部下を採点して、それを社長である私が承認することによって、各社員の昇格や昇給額、賞与額等を決定しようかと考えています。
この場合の留意点等についてご指導下さい。
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上司に部下を採点させるという
やり方は間違っています。
結論から申しますと、この方法は即刻やめるべきです。
この方法は、我が国の高度成長時代によく採用された方法です。
大変な間違いを起こす可能性があります。
会社にとって、本当に必要な人材を首(駄目)にしてしまい、仕事の出来ないごますりを昇格させることになる可能性が高いのです。
先ず、私(奴田原)が考案した「DO・SAY・NOTの原則」を思い出して下さい。
採点する上司は、DO社員でしょうか?
SAY社員でしょうか?
それともNOT社員でしょうか?
SAY社員又はNOT社員である上司が、DO社員である部下を採点したらどうなりますか?
結果は明らかです。
企業や社長にとって必要なDO社員は、SAY社員又はNOT社員である上司にとっては(必要どころか)煙たいのです。
つまり、SAY上司やNOT上司は、自分よりも仕事が出来るDO部下が嫌いなのです。
部下であるDO社員の評価をその通りにDO評価するとどうなりますか?
SAY又はNOT社員である上司の自分は昇格出来なくなります。
昇格できないということは、つまり給料が上がらなくなるのです。
それどころか、部下であるDO社員に追い抜かれて結果的に降格(減給)となります。
つまり、SAYやNOT上司にとって、DO部下は鬱陶しいのです。
DO社員である部下は当然のごとく、現状認識をしてその問題点を把握し、その改善策を提案してきます。(だからDO社員なのです。)
やる気と能力があり、かつ、企業のためを思うからこれは至極当然のことです。
これが、SAY上司やNOT上司にとっては鬱陶しいのです。
これらの上司にとっては、黙って言うことを聞く社員が(自分にとって)良い社員なのです。
これらの上司は現状の改善など、全くやる気もないのです。
それから、もしも上司がDO社員であったとしても、部下であるDO社員にはきっと辛い点を付ける可能性が高いのです。
部下である社員のDO性が高ければ高いほど、辛い点を付ける可能性が大です。
それは、出世意欲が高ければ高い上司ほど、顕著に表れます。
自分が部下に追い抜かれたくないからです。
人生の発展途上である社員に部下を評価させるのは、一昔、嫌、二昔前のやり方です。
こういう時代もありましたが、結果は「仕事が出来ないごますりの上手なSAY社員又はNOT社員」が昇格・昇給しています。
本当に企業のためを思うDO社員が役員にならずに、能力のないごますりが役員になっているのです。
従って、この方法を採用した日本の大企業は今、駄目なのです。
社長の周りには、ごますりのYESマンが集まっています。
これでは、企業は発展する訳がありません。
とにかく、本当に必要な人材(DO社員)を失うことになっては大変です。
社長である貴方は、人間の心理をもう少し勉強して下さい。
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