ご意見・ご質問箱


 
 

   第32回 「ご意見・ご質問箱」

土木建設業界は
   今後どう生き残っていくべきか?

               (高知県 30才・男性)

  当社は代々土木建設業を営んでおります。
  近頃、土木建設業及び公共事業に対して、創業者である祖父と私とで、見解の違いが発生しています。

  日本の土木建設業者数の多さ、土木事業に偏った公共事業予算の配分が問題視されるようになり随分と経ちます。
  私は、「国が『これ以上無い袖は振れない』と言う状態になっており、今後土木建設業界が縮小する、縮小していかなければならないと言う流れは止めようが無い。身動きの取れるうちに他産業、他業種への転換が図れるなら、道筋をつけておくべき。」と考えております。
  奴田原先生の土木建設業界及び公共事業への今後の展望及び見解
こうすべきと考えておられること等をお聞かせ願えないでしょうか。
  よろしくお願いします。

 
同業他社が出来ない何かを持ち
            権利化することです。


  結論から申しますと、正に貴方のおっしゃるとおりだと思います。

  私が本HPで、口を酸っぱくして述べてきましたように、企業は世の中の環境の中で、存在しています。
  つまり、この環境の中でこそ、企業は生きていけるのです。
  今、この環境が大きく変化しています。
  この変化は、土木建設業界に限らず、全ての業種について言えることだろうと思います。

  しかしながら、その中でも土木建設業は、急激に仕事が減り、その上に、請負金額が激減しているのが実状だろうと思います。
  つまり、間違いなく言えることは、このまま(何もしなくて)土木建設業界の流れに任せていたとすると、確実に倒産する可能性が大だと思います。

  それであればどうすべきか?

  その答えは、この業界の中でも、今後仕事が増え、又はあまり減らず、かつ、他社があまり参入していない分野へ転換すべきです。
  それが何であるかはここでは述べませんが、
これからは、業界ナンバーワンになるよりも、業界オンリーワンになることです。
  つまり、同業他社が出来ない何かを御社が持つことです。
  土木建築会社が全て潰れる訳ではありません。
  必ずどこかが生き残ります。
  御社が生き残る為には、
業界オンリーワンになることです。

  又、思い切って他業種に転換(参入)することも、一つの道です。
  但し、転換する他業種は、今後の環境変化を洞察して、仕事が増える業種への転換を(是非とも)検討すべきです。
  しかしながら、皆がその業種に転換すれば、結果的に過当競争になって、その業種も、又、儲からなくなります。
 
  今後、確実に発展していく方法が、一つあります。
  それは、権利化を計ることです。
  それの代表的なものが、「特許」です。


  「特許」を取得すると、ご存じのように出願から20年間その権利を独占します。
  これこそが、高知県の企業が大資本の県外企業に勝てる唯一の道だろうと私は考えております。
  私共事務所の顧客である顧問先企業も、最近はこの「特許」の出願が急増しております。
  特許なら何でもOKなのですが、その中でも、最近注目されています「ビジネスモデル特許」も、研究されてみては如何でしょうか?
  建設業界は、特に、この特許には遅れをとっています。
  だからチャンスなのかも知れません。
  このHPのバックナンバーにも詳説していますので、今一度ご覧になってみて下さい。
 又、新たな発見があるかも知れません!!