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第24回 「ご意見・ご質問箱」
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「良き相談相手」の条件とは?
(広島県 44歳・男性)
私は中小企業の二代目社長です。
ブレーンとしての「良き相談相手」に条件について、ご教示ください。
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ここに示す9点を兼ね備えた方を、
「良き相談相手」にお迎えください。
(龍馬社長大学学長、奴田原惇郎)
「良き相談相手」には、少なくとも次に述べる9点が必要です。
第1は、「自社のためを考えてくれる人」です。
競合する他企業など、自社が発展して損害を被る人が駄目なのは言うまでもありません。
また、自分のために真の情を持って物事を考えてくれる人でなければなりません。
次に「自社の現状を認識できる人」です。
良い進言は、まず現状認識(問題点)の把握からスタートします。
問題点を把握できていなければ、あるいは間違って捉えていては、それは間違った進言になるのは当たり前です。
したがって、自社の問題点を包み隠さず、すべて話せる相手でないといけません。
利害関係のある取引先、銀行などには自社の問題点を包み隠さず話すことはでません。
それがわかってしまったら、以後の取引が不利になるのは目に見えています。
3番目は「専門知識を有している人」です。
これも至極当然のことです。
いくら自分のことを考えてくれていても、その問題を解決する専門知識がなければ、何の役にも立ちません。
4番目は「苦言を呈してくれる人」です。
これが非常に重要です。
本当にその人のことを思えば、その企業のためを思えば、その進言は必ず厳しいものになります。
親は、子供のためには真剣になって怒ります。
しかし、祖父母は、孫のためにはあまり怒りません。
孫のことより自分が嫌われないことを優先してしまいがちだからです。
つまり、当たり障りのない答えしか返ってこない人や、自分たちにとって腹が立つからと本当のことを言ってくれない人は、相談相手としては不適格者なのです。
単なるごますりやイエスマンを自分の周りに配置して大切にしている経営者を見かけますが、この様な人事は即時に見直すべきです。
5番目は「どの視点に立って物事を考えるべきかきちんと見極められる人」です。
例えば長期を見据えた視点か短期を見定めた視点かなど、どちらに立って物事を考えるべきかを判断できることが大切です。
企業は存続することを最大の目的としています。
何年後かに会社をつぶそうとする社長は、まず、いません。
そのためには、目先の得を考えるのではなく、将来の得を考えるべきです。
目先の得を考えて行動し将来にそれ以上の損をすれば、結果的に失敗です。
ただし、物事よっては、短期的に考えないと駄目な場合もあるので、申し添えておきます。
6番目は「責任感がある人」です。
無責任な人が駄目なのは言うまでもないことです。
7番目に必要なことは「総合的に物事を考えてくれる人」です。
局所的に物事を捉えていては、二次災害が生じます。
例えば、税金は安く済んだが銀行の融資が受けられなくなった、税金はかからなかったが官公庁の指名願いが受けられなくなった等々です。
銀行の融資が受けられなくなると、たいていの企業が高利に走り、業績が急激に悪化します。
指名願いが受けられなくなると、その企業は(特に建設業は)売上(仕事)がなくなります。
企業の死活問題です。
必ず総合的に物事を捉えることができる人でなければなりません。
8番目は「粘り強く考えてくれる人」です。
企業の問題で簡単に解決できるものはないといって過言ではありません。
したがってその問題について何とかできないかと粘り強く、かつ、深く掘り下げて考えてくれる人でなければなりません。
最後は「自分の弱点を熟知してくれており、その弱点をカバーしてくれる人』です。
以上の9点は、良き相談相手としての最低必須条件です。
皆様が良きブレーンを、少しでも早くもたれることを、心より願っております。
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