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第5回 「元国税局長の巨額脱税事件は、国税
局の人事制度に大変な問題がある。」
新聞やテレビ、ラジオ等のマスコミが、この元国税局長の巨額脱税事件を大きく報道しているが、残念ながらこの報道は間違っている。
某新聞は、「公務員時代に何の倫理観も培っていなかったあかしと言える」と社説で述べているが、果たしてそうだろうか?
私は一般試験合格の税理士である。
税務署や国税局等の国税出身の税理士も数多く知っているが、その殆どの方が真面目で正直な税理士だ。
不正をした浜田常吉容疑者のような悪徳税理士を私は知らない。
このことは「多くの国税職員は公務員時代にきちんとした倫理観を培っていた証拠である。」・・・と私は考える。
このことよりも最大の問題点は、この浜田常吉のような人間が他人よりも出世する、国税のこの人事制度にあるのだ。
従来のノンキャリアの国税における最高ポストは、熊本国税局長だったそうである。
しかしながらこの浜田常吉は、この従来の最高ポストをも超えて札幌国税局長にまでなった。国税における大変な出世頭である。
このような不正とウソで固まった人間が、なぜにこのような最高ポストにまで、のし上がることができたのだろう?
この浜田常吉が、もしも真面目で正直な人間だったら、果たしてこのような最高ポストにまで上り詰めることができたのだろうか?
残念ながら、この答えはNOと言わざるを得ない可能性が高い。
ここに大変な問題点がある。
要するに、仕事のできない要領のよい人間が昇格する、この国税の人事制度にこそ大変な問題点があるのだ。
これは民間企業でも言えることかも知れない。
民間企業でも、ごますりの要領のよい人間が出世する人事は多々ある。
ただ、民間企業のこのような人事には、少なからずも救いがある。
このような民間企業は、いずれ淘汰されて衰退若しくは破たんして、この世の中から消える運命にあるからだ。
今の日本企業の衰退を見ていると、この通りだとつくづく思う。
しかしながら、公務員においてこのような人事をやっていては大変。
国や自治体が衰退・破たんする。
現に日本国は、今、破たんしかかっている。
いや、日本国がもしも民間企業ならば、とうの昔に破たんしているのだ。
私は、この浜田常吉のような人間を札幌国税局長にまで抜擢した、この人事を実行した国税の上司にこそ大変な問題点があると考える。
人間、生まれ持った資質がある。
この生まれ持った悪の資質を変えることは非常に難しい。
このような悪徳人間が、なぜにこのような最高ポストにまで出世することができたのか?
悪徳だからこそ出世できたのか?
残念ながら、このような報道をしているマスコミは無い。
日本のマスコミは、もう少し報道に責任を持つべきである。
本当に日本の将来を考えているのであれば、本当に日本を良くしようと考えているのなら、マスコミとしての責任感を持った報道をすべきである。
「国税当局の間違った人事」と「間違った報道をする日本のマスコミ」に猛反省を要請する。
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