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第11回 「高知での貸ビル空室急増
の原因は何か?」
東京都を始め、大阪、名古屋、仙台、福岡、京都、神戸等々、全国的にオフィスビルの空室率が急増している。
この原因は、東京都心では「2003年問題」といわれる新築ビルの大量供給が始まり、需要との間にずれが生じているためだという。
景気低迷の影響が大きいその他の地域では、需要の冷え込みが大きく影響している。
従来は、短期間で空室が埋まったが、この期間が長引く傾向が高まっている。
高知でも、この傾向は同じで空室は急増している。
それでは高知での貸ビル空室急増の原因は何か?
探求してみる。
この原因に景気低迷が大きく影響していることは間違いがないが、果たしてそれだけだろうか?
原因は他にもありそうである。
それは、四国の高速道路網の急速な整備にある。
高速道路の整備が、何故に貸ビルの空室に影響するのだろう?
一見関係がないように思えるのだが、これが大変な影響を与えている。
それは、四国の高速道路網が急激に整備されて便利になったので、高知に支店や営業所を置く必要がなくなったからである。
全国レベルの企業が、高知にあった支店や営業所を撤廃しているのだ。
それでは、これらの企業は四国での統括をどの様に考えているのだろう?
それは岡山である。
岡山に支店や営業所を置き、中国地方と四国地方とを一緒に統括しようというわけだ。
その証拠に高松でも貸ビルの空室が急増している。
高松からも、企業の支店や営業所が逃げているのだ。
「高速道路が街をつぶす」・・・のである。
何ごとも、メリットがあれば必ずデメリットがある。
地方に高速道路は必要だ。
高速道路が増えれば住民は確かに便利になる。
但し、便利になるのは地方の住民だけではない。
当然に全国レベルの企業も便利になるのである。
高知県の吾川村は、この村唯一の公共交通手段である国道33号線を通るJRの定期バスが廃止された。
高速道路が整備されて、旧国道を通るより高速道路を通った方がより早く便利だから、これは至極当然のことである。
この地方に住む交通弱者のお年寄り達は交通手段がなくなる。
これでは若者どころか、お年寄りも住めなくなる。
過疎どころか、市や町、村自体がなくなる日が近いかも知れない。
「高速道路が市町村をつぶす」・・・のである。
そうはならないようにするのは行政の責任なのだが、果たして行政はそのための対策を講じているのだろうか?
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