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第12回 「全く正反対の新聞報道は、
どちらの新聞を信用すればよいのか?」
平成14年8月29日(木)の朝刊で、
某全国紙は、「新型預金を義務化せず」(金融審一致)と報道し、
某地方紙は、「新型決済性預金“義務付け”」(金融審部会)と報道した。
同じことに対して、全く正反対の報道である。
来年のペイオフ一部解禁に伴い、
某全国紙は、「全額保護の対象となる無利息の決済専用預金の導入を民間金融機関に義務づけないことで一致した。金融機関がシステム開発などの負担を嫌い新型預金の導入に消極的ななかで、同預金の創設を法律で強制するのは難しいと判断した。」とし、
某地方紙は、「無利子の普通預金など新しい決済性預金の導入について、九月上旬にもまとめる報告書で『強く期待する』とし、事実上、全金融機関に義務付ける方向で一致した。」としている。
これはおそらく、
某全国紙の記者と、
共同通信社の記者が書いたもの(某地方紙の記事は、おそらく共同通信社の記者が書いた可能性が高いので、ここでは共同通信社の記者が書いたものとしたが、このことは確認したわけではないので、このことを踏まえて読んで頂きたくと共にこのことを了承して欲しい。)と思われるが、
そんなことは別にして、私共読者にとっては、果たしてどちらの新聞を信用すればよいのだろう?
この記事の出所は、双方とも金融審議会なのである。
それなのに、何故、この様な全く正反対の記事になるのか?
只、このことから言えることは、新聞を読むときはこの様なことがあるということを前提において読み必要があるということだ。
新聞記者の方も人間である。
これはおそらく、これらの記者の方々の捉え方だと思われる。
全国紙の記者は、「法律で強制できない」のだから、義務化せずと考え、
共同通信社の記者は、「強く期待する」としているから、義務化したと考えたのだろう!
私には、この双方の記者の方の気持ちは大いに理解出来るが、これでは読者はたまったものではない。
ここでの最大の問題点は、
全国紙だけ見た人は、義務化しないと考え、
地方紙だけ見た人は、義務化するのだと考え、
双方の新聞を見た方は、どちらが本当だろうか?と考える。
マスコミの最も重要な任務は、正しい報道をすることである。
それなのに、この様な全く正反対の報道が、同じ日のまさに同じ朝刊においてなされるとは?
このことで、私共読者がハッキリと認識しないと駄目なことは、「新聞は絶対に一紙では駄目だ」ということである。
少なくとも、二紙は読む必要がある。
そうしないと、私共は間違った情報を新聞より知らされることになるかも知れない?
このHPをご覧の皆様は、このことをどの様に考ることだろう!
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